衣川晃弘大先生の見聞会講話集「21世紀を幸せに生きる」第8巻より
2016年(平成28年)3月12日 ベストグループ東北地区見聞会②
事業家時代、私は立派な人財をお育てする努力をしてきました。一人から始めた会社が、一年で千名以上働いて下さり、二年目で二千五百名を突破しました。たった四年で五千四百名の方をお育てする会社になりました。ですから、何かしら魅力があったのでしょう。魅力がなければ人は集まりません。
その時は、働いて下さる方々に喜びを与えることをしました。働く喜びを与えたのです。働く喜びとは何なのだろうか。「この仕事をして良かった」と思える人を育てなければいけないと思います。
人が育てば売上は自然と伸びるものです。私は売上を伸ばそうと思ったことはありませんでした。人が育てば、人様が一生懸命に働いて下さるのです。売上目標を上げたことはないのです。
私は西洋心理学を少しは会得して、自己啓発の教育会社を作らせて頂きました。そして、七年間で六万人の教育のお手伝いをさせて頂きました。それでも、結局私自身が変わっていませんでした。その結果、敗れ去っていきました。それから、私は真実の目的を求めて歩いたのです。
そして、また会社を立ち直らせて下さいました。会社は潰れなかったけれど、立ち直る方が苦しかったです。苦しい中から立ち上がる努力をするから、自分のものになっていったのだろうと思います。
一番先に敗れたのが、責任者である私でした。人間は心に支配されます。私は失敗する心にこの体を支配されたから失敗したのです。成功する心にこの体を支配されたら成功するのです。つまり、心の問題なのです。
今の私は永遠に幸せになる心に支配されているから、幸せなのです。そして、私に近づく方も幸せになっていくのです。永遠に幸せになる心があるのです。永遠に幸せになる心に支配されたら、何をやっても上手くいくのです。その心があることをあなた方は知らずして生きてきたのです。
永遠に幸せになる心が理解できるには、その心を引き出す方とお付き合いしないと、引き出して頂けないのです。皆さんは一時的には良くなったり、悪くなったりする心にこの体を支配されてきたけれど、永遠に幸せになる心に支配されたことがないのです。その心を引き出す方がいなかったからです。
私は、自分はとても素晴らしい運命を持って生まれたのだなと思っています。ところが、心理学というのは心の追究なのです。心は五感に支配されます。見る、聴く、嗅ぐ、味わう、触れるの五つの感覚器官に支配されるのです。このように、五つの感覚器官は心を次々と生み出すのです。
心理学の「心理」とは心の分析であり、追究であり、飽くなき追究で、尽きることがないのです。人間の心は次々と生み出されるのです。だから、心が増えれば増えるほど、喜びが増す代わりに苦しみも増えるでしょう。
喜怒哀楽といった、相反するものが同時に存在するのがこの宇宙です。企業だって、成功しても必ず失敗します。病気の反対は健康です。生まれたら死ぬ。それが哲学です。心理の「心」と真理の「真」は、全く正反対です。
真理とは、人間は何のために生まれたのかを知ることです。命は限りがあると思っています。真実を知らないで生きている人がほとんどではありませんか。命とは無限の存在で、永遠、不滅の存在であることを知っている方はほとんどいません。
心の追究も「心理」と言います。宇宙は誰が創ったのか、宇宙が無くなったら何が残るのかという、本当を知ることが「真理」なのです。心の追究と真実の追究は一緒でしょうか。違うのです。
宇宙はいずれは無くなるのです。「宇宙は百三十七億年前にできて、必ず無くなる」と、科学者が表明しています。では、宇宙が無くなったら何が残るのか。それを知ることが真理なのです。
真理に到達した方は、世界の七十億人のうち十数名と言われています。もしも私も到達させて頂いたならば、きっと何かの役目があるのだろうと思います。
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