衣川晃弘大先生の見聞会講話集「21世紀を幸せに生きる」第8巻より
2016年(平成28年)3月12日 ベストグループ東北地区見聞会①
皆様、おはようございます。私は何をやっても成功する人生を歩ませて頂きました。仕事でも、訪問販売業では日本一の社長を四年間だけさせて頂きました。売上を伸ばすのではなく、人財をお育てする会社を作らせて頂きました。
その結果、売上も訪問販売業ではトップにならせて下さいました。それは、働いて下さる皆様が日本一にして下さいました。立派な人財をお育てしなければ、願いは叶いません。人財を育てることが企業の目的であると思いました。
「経営者とは物を売るのではなく、社会の役に立つ人をどれだけ育てられるか、自分に代わってどれだけの人を育てられるかである」ということを考えた時代があるのです。ですから、自分の営業の経験を活かして、年間たくさんの利益を頂きました。
しかし私は、人間には限度があるということを感じるようになりました。私はお金のために仕事をしませんでしたが、結果としてお金持ちにならせて頂きました。相手に満足を提供するから喜んで頂けるのです。
お客様に満足を提供するとはどういうことだろうか。それは心の満足でしょう。心の満足を与えなければ、お客様は二度と買って下さいません。なぜなら、物を買われてもすぐに飽きてしまうからです。
中にはいつまでも大事に使う方もおられますが、買った時だけ使って、後は使わない方が多いのではないかと思います。だから、それよりも心の満足をして頂くしかないと思いました。「良い物を買って良かった」と思って頂くには、「良い方と巡り合った」ということが満足ではないかと思います。私は実践者ですから。
私は事業家時代、飛び込み訪問販売をずっとやってきましたが、人育ての方が得意だったのです。飛び込み訪問をすると十人のうち七名は決めて下さいました。なぜなら、お客様に安心感を与えたからです。
営業トークで契約を決めたわけではないのです。持っているムードで契約を決めて下さったのです。一生懸命にご説明させて頂きました。ご理解して頂いて買って頂くという方法をやってきました。
そうすると、お客様が次から次へとお客様をご紹介して下さいました。一回行けば、次はその方を通して十名くらいの方が買って下さいました。また次に行けば、その十名の方を通して三十名ほどの方が買って下さいました。また次に行けば、五十名ほどの方が買って下さいました。
私は良いことも経験していますし、失敗も経験しました。でも、いつまでもこんなことを繰り返して一生を終わるのだろうかと思いました。毎日人に会っていて疲れないのはあり得ないと思います。私は自分が第一線に出て営業をするよりも、どうも人を育てる方が自分に合っているのではないかと思いました。
営業マンは素晴らしいけれど、朝から晩まで働いて一体何になるのだろうかと思いました。お金をたくさん得ても、何が満足するものですか。私は少しだけお金持ちかも知れません。お金はあった方が良いですが、どれだけあっても満足しないのです。
お金を得ることよりも、何をすれば満足するのかと思うようになりました。つまり、社会や人の役に立てることは何なのだろうかと思いました。
物を買って頂いて満足して頂くことも一つの方法ですが、一体何のために人として生まれたのかと、いつも考えていました。私は何のためにがんばってきたのだろうかと思う時があったのです。
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