衣川晃弘大先生の見聞会講話集「21世紀を幸せに生きる」第11巻より
2019年(令和元年)5月19日 ベストグループ北関東見聞会 ①
おはようございます。人間は体の使い方によって、体の健康を維持できたり、病気になったりします。体を良いことに使えば素晴らしい人間になりますが、体を良くないことに使えば善くない人間になります。その体を支配しているのは、人間の心です。
昔から、人間は心次第と言われます。しかし現代の人は、心についてあまり勉強をしていない方が多いと思います。だから、今の自分がどのような状態にあるのかを、ほとんどの方が分かっていないと思います。
実は、どの心が体を支配しているかを知ると、自分自身をコントロールすることができるのです。五千年前に、インドでクリシュナという御方(おかた)が、三つの心の性質について分析されました。
まず、一つ目は黒い心で、失敗者の心(鈍性(どんせい))と言います。黒い心の人は自己中心的で、自分や家族のことしか考えません。現代の人は「自分さえ幸せになればいい」、「家族が幸せになればいい」という人が増えてきたように思います。
黒い心の人は周りの人のことを考えないから、平気で嘘をついたり、言動で人を傷つけたりしても、心が傷まないのです。また、黒い心の人はとても心が狭いから、人の気持ちが分からないのだろうと思います。今、人の気持ちが分からない人が、増えてきていると思います。
黒い心の人は「お金が一番大事」とか、「家族が一番大事」とか、「健康が一番大事」と言って、この世の幸せだけを願います。今、十人のうち八~九人が、黒い心の人です。しかし、日本は犯罪が少ないとしたら、日本人は根っこに善い遺伝子を持つ人が多いから、他の国々に比べて犯罪が少ないのだと思います。
次に、二つ目は赤い心で、一時的成功者の心(激(げき)性(せい))と言います。人間社会で成功者と言われる方は自分や家族のことも考えるけれど、「少しは社会や人の役に立ちたい」、あるいは「仕事を通して会社のお役に立ちたい」と言います。そういう人は、今、十人のうち一~二人なのです。
私が小さい頃に「社会や人のお役に立ちたい」という人は、十人のうち七~八人はいらっしゃったと思います。当時は、人の悪口を言ったり、嘘をついたりすると、親や学校の先生から叱られた時代だったのです。
どんなに家が貧しくても「お金ではない。人間性が大事やで」と教えられたのが、戦後の母の教えだったのです。今とは親の教えが全然違うと思います。しかし、赤い心の人は、命や見えない存在を知りません。赤い心の人は、ご利益のために見えない存在に手を合わせるのです。
この宇宙には、相反するものが同時に存在します。だから、この宇宙を二元の世界と言います。見えるものと見えないものが存在するのが、この宇宙です。
男と女、生と死、健康と病気、お金持ちと貧乏、成功と失敗、喜怒哀楽というように、相反するものが同時に存在するのが、この宇宙です。ですから、この宇宙にいる限り、喜びと悲しみは同時に存在するのです。
「一時的に幸せ」という方は多いですが、「永遠に幸せ」という方は、私は聞いたことがありません。色々なことで悩み、苦しんでいる方が、とても多いと思います。
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