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ベストグループ見聞会御講話集「21世紀を幸せに生きる」

衣川晃弘大先生の見聞会講話集「21世紀を幸せに生きる」第11巻より

2018年(平成30年)3月23日 ベストグループ東北見聞会 ①

皆様、おはようございます。人間は幸せになるために創られたのではないのです。人間は苦しむために創られたということを、皆、知っていないのです。その苦しみから解放されたいために、色々な教えがあるのだろうと思います。

私は幼少期、貧乏な家庭で大きくなりました。私が中学三年の時に、父はもう働いていませんでした。私と腹違いの弟二人で、私が高校を卒業するまで、新聞配達で六人家族が成り立っていました。

父と育ての母は、毎日喧嘩ばかりしていました。その姿を見て、「なぜ、僕はこの家に生まれたのだろう」と、高校生の時に泣いたことがあるのです。そこから、「夫婦は仲が良い方が良い。物質的に貧しいことはいけない」と学びました。これは私の経験です。

私が公立高校へ行くお金もなかったくらい、家が貧しかったのです。そんな家庭の中でも、父は高校の入学金を都合してくれたのです。それが、親が苦労して育ててくれたことへの感謝に変わったのです。

「大きくなって社会に出たら、お父ちゃん、お母ちゃんを物質的にも精神的にも幸せにしてあげたい」と思うようになるのです。ですから、私は親に対しては感謝の気持ちしかないのです。

私の中には悪い記憶がないのです。悪い記憶は消えて、良い記憶だけが残っているのです。悪い記憶が残れば恨みの心が出るから、ネガティブ人間です。良い記憶が残れば感謝の気持ちが残るでしょう。

大変な家庭で生まれるということは、何かを学ぶために生まれたのです。家が貧乏だとか、大変な家庭で生まれたということは、何か学びが多いではないですか。

良い家庭に生まれたら何を学べるのですか。私は中学を卒業するまでに、夜逃げを四十回以上経験しているのです。父は夜逃げの名人です。私はそこから「なぜこの家に生まれたのかなぁ」と学ぶのです。

父は私にとても優しかったのです。もうめちゃくちゃ優しかったのです。小さい時から「お前は立派な人間になるぞ」と言われたのです。小さい時から「お前は駄目だ」と言われた子供と、私のように「お前は立派な人間になるぞ」と言われた子供では、どちらの方が能力を発揮できますか。

小さい時から「お前は立派な人間になるぞ」と言われたら、立派な人間になろうと努力するでしょう。自信もつくではないですか。親の育て方は子供に大きな影響を与えるのです。

もしも今の私があったとしたら、私を育ててくれた父と育ての母のお陰だと思っています。生みの母は礼儀作法を教えてくれました。ですから私は、礼儀作法だけは心得ていました。

「衣食住足りて礼節を知る」というのは、母親の教えではないのですか。今は衣食住が足りても礼節を知らない人が多いではないですか。これは母親が子供に教えないからでしょう。

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