地底の森ミュージアム(宮城県仙台市太白区)
地底の森ミュージアム(ちていのもりミュージアム)は、宮城県仙台市太白区の長町副都心に位置する歴史博物館。正式名称は仙台市富沢遺跡保存館。富沢遺跡の遺構や遺物を展示・公開している。
概要
1988年(昭和63年)に行なわれた仙台市南部の富沢遺跡内の仙台市立長町南小学校建設予定地における予備調査である富沢遺跡第30次発掘調査において、2万年前の森林の跡および旧石器人のキャンプ跡が発見された。
これは人類と自然の関係が遺跡となっている世界的にも貴重な発見であったために、小学校の建設地は変更され遺跡の保存・公開を検討されることとなった。翌年には基本構想策定委員会が設けられ、生涯学習活動を基本方針の1つとした考古系総合博物館の建設の基本構想が策定された。
1996年(平成8年)11月2日に来館者スペースの80%を遺跡の公開・展示のためのスペースが占めている遺跡博物館としての性格をもった地底の森ミュージアム(仙台市富沢遺跡保存館)が開館した。総合博物館ではなく遺跡保存館となった点に当初の構想からの変更がなされているが、博物館の基本的な性格として生涯学習活動の積極的な推進が盛り込まれる点などに基本構想からの継承が見られる。
沿革
1988年(昭和63年) – 富沢遺跡第30次調査において2万年前の森林跡と旧石器人のキャンプ跡を発見。
1989年(平成元年) – 基本構想の策定。
1994年(平成6年) – 建物着工。
1996年(平成8年)11月2日 – 開館。
2007年(平成19年) – 総入場者数が50万を突破。
施設概要
敷地面積は14263m2で、樹木跡や焚き木跡、化石などを展示する「屋内展示施設」と、氷期の植生を再現した屋外展示施設の「氷河期の森」からなっている。
屋内展示施設
建物面積1196m2、延べ床面積2743m2で地上1階、地下1階の鉄骨鉄筋コンクリート造の建造物。施設内で遺跡を発掘された状態で展示するために地下階に床を設置しない一方で、遺跡に地下水が浸入することを防ぐために厚さ80cmの外壁を地下20mの深さまで築くなど特殊な建築土木工法が用いられている。
遺跡の保存のために無色・無臭でカビなどの発生を防止する保存処理剤として樹木用と土壌用で分子構造式が異なる2種類の「ポリシロキサン」が使用されている。
地上1階:常設展示室、企画展示室、展望ラウンジ、研修室
地下1階:受付、常設展示室(埋没林展示)
氷河期の森
発見された森林跡をもとに2万年前の氷期の植生が分析され、地底の森ミュージアムの敷地内に再現されている。
アクセス
バス
宮城交通バス:ながまちくん「地底の森ミュージアム前」バス停より徒歩で約3分。
「長町南太白区役所前」バス停より徒歩で約5分。
鉄道
仙台市地下鉄南北線 長町南駅より徒歩で約5分。
JR東北本線 長町駅より徒歩で約20分。
駐車場
無料駐車場:25台
出典:Wikipedia
画像「地底の森ミュージアム」:日本語版ウィキペディアのAsenas10さん, CC 表示 3.0, リンクによる